何かの見出しで、「○○は重用されない見通し」ってあって、今まで重用を「チョウヨウ」と読んでいたけど、どうやら「ジュウヨウ」が正しくて「チョウヨウ」が慣用読みだったことに驚きました。
「重用 読み方」でググると、ジュウヨウというところもあれば、チョウヨウですと言い切るサイトもあってなかなか面白い。
言葉のプロであるNHKのサイトを見ると、原則としてジュウヨウだけどチョウヨウと読んでもOKということにしているそうです。
一節によると、明治・大正ころの読みは普通に「ジュウヨウ」でしたが、テレビやラジオで話すときに、「重要」と区別するために「チョウヨウ」と読む慣用化が進んだそうです。しかし最近ではまた元の「ジュウヨウ」読みに戻ってきたのだとか。
一旦、慣用読みをアリにしておいて、やっぱり正しい読み方でなんてコロコロ変えられると、アナウンサーも混同して「チョウヨウ」でしょと思い込む気持ちもわからなくはない。
「重」という漢字
一般的に「重」という漢字は、「ジュウ」と読むことが多いです。
「目方が重い」「程度がはげしい・過度」「大切である」「重なる」といった意味で、「体重」「比重」「重税」「重罪」「重大」「重要」「重版」「多重」などたくさんあります。
「ジュウ」と読む単語が多いのに対して、「チョウ」と読む場合は同じ意味合いもありますが、「おもんじる」「大切である」「軽々しくない」「はばかる」といった意味合いで「重宝」「貴重」「自重」「慎重」などの限られた単語だけ。
また、「重複」は慣用化が進んでいて、今ではどちらでもよいとされています。「チョウフク」が正しいけど「ジュウフク」と読む人が多数派になり定着しました。
知った上で伝わるほうを使う
歴史や語源、なりたちを知っておくのは大切だけど、私が誰かに伝えるとき使うときは「チョウヨウ」っていうかもしれない。みんな「チョウヨウ」という読みで漢字と意味を思い浮かべるだろうし。
漢字の読みは長い間に様々な理由で変わったりするので、いつの間にか慣用読みが多数派になったりします。「重用」は慣用読みが多数派になっていく境目にあるのでしょうか。
書いているうちに「重」がゲシュタルト崩壊してきた。
「自重」も筋トレの場合は「ジジュウ」トレーニングで、「ジチョウ」トレーニングとは言わないからちょっとややこしいですね。
では、また次回。