コンタクトレンズを使用していた時期もありましたが、今はずっとメガネを使っています。
レーシックと呼ばれる視力矯正手術の話を聞いた時は、切ってめくってレーザーを照射する?大丈夫なのそれはと、不安と恐怖しかなかったです。
術後のトラブルもネットなどで取り上げられていて、私はすることはないかなと思いました。
時代は進んで医療も発達しました、今の視力矯正手術はどうなっているのか、レーシックも軽く振り返りつつ調べてみました。
PRK、レーシック
メガネやコンタクトレンズ以外の視力の回復手段として、レーザーを使った屈折矯正手術があります。
屈折矯正手術の研究・実験は海外で長きにわたり続けられていました。
日本では2000年になってようやく厚生労働省より「エキシマレーザー」の屈折矯正手術への適応が認められたそうです。
PRK
PRKはレーザーを使って角膜を表面ごと削る術式です。
手術中は痛くないが、術後の痛みが強いです。
保護用のコンタクトをはめて1週間程度は生活に支障がでます。
視力の回復に個人差があり、数ヶ月かかることがあります。
レーシック(LASIK)
レーシックは角膜の表面を薄い膜に切開し(フラップを作る)、角膜実質という矯正の必要な場所にピンポイントでレーザーを照射した後、フラップを戻す術式です。
レーシックはPRKに比べて痛みが少なく、術後まもなくすると視力が回復し普段通りの生活ができるので、大きな期待が向けられました。
海外ではレーシックはポピュラーな術式です。
日本では眼科専門医を取得していないレーシック専門医と謳う医師が多いのか、術後のトラブルが多く言われます。
詳しいデメリットはこちらを見てください。
術者全員がこのデメリットに当てはまるわけではありません。
レーシック手術をして満足している人もいるでしょう。
レーシック手術を考えている人は、必ず眼科専門医の診察を受けてください。
リレックス(ReLEx)
リレックスとはフェムトセカンドレーザーVisuMAXを使用した、角膜の屈折力を変えて近視、乱視を矯正する術式。
フェムトセカンドレーザーはレーシックの際も使うフラップを作成する機器です。
これを改良して、1台で屈折矯正手術を行えるようにしたのが、ドイツのカール・ツァイス社の新しいフェムトセカンドレーザー「VisuMax」です。
PRK、レーシックに次ぐ第3の視力回復手術と呼ばれています。
簡単にいうと、すごいレーザーで角膜実質層の切片(せっぺん)を作り、その切片を引き抜くことで、光の屈折を変化させ視力を矯正するということです。
リレックスは大きく分けて2種類の術式があります、フレックス(FLEx)とスマイル(SMILE)です。
フレックス(FLEx)
レーシックと同様にフラップを作成して、更に角膜片(レンチクル)を取り出す治療です。
フラップを作成するのであれば、レーシックで使用するエキシマレーザーのほうが格段に安全でしょう。
エキシマレーザーのほうが精度が10倍高く、アイトラッキング機能(眼球が動いても追尾する)も備わっているからです。
エキシマレーザーはコストと維持費が高いので、フェムトセカンドレーザーだけで手術ができるというコスト面だけ優れています。
あえてリスクの高いフレックス方法を選択する意味はありません。
スマイル(SMILE)
角膜内部をフェムトセカンドレーザーで切除し角膜片(レンチクル)を作ります。
2~4mmの切開層をフェムトセカンドレーザーで作成し、そこからレンチクルを取り除く治療です。
リレックススマイルの特徴としてフラップを作成する必要がないため、フラップ作成による合併症がほぼ無くなります。
リレックスでは、主にリレックススマイル(ReLEx SMIILE)が行われています。
リレックススマイルのメリット
フラップを作成しないので、ドライアイが発生しにくい
角膜表面には三叉(さんさ)神経という痛みを感じる神経が通っています。
レーシックのフラップ作成時は円形に約30mm程度切開します。
角膜内部で作成したレンチクルを2~4mmの切開層から引き抜くため、フラップを作成するより、余計な神経切断を避けられます。
衝撃に強い
フラップを作成しないため、フラップのズレやシワが生じることがなく、角膜の強度が保てます。
従来はフラップを作成しない術式はPRKでしたが、視力回復に時間がかかり痛みもありました。
リレックススマイルでは上皮を侵さずに角膜の内部を切除できるので、痛みを伴わずに衝撃に強い状態を保てます。
患者の負担が小さい
レーシックの場合は、フェムトセカンドレーザーでフラップを作成し、次にエキシマレーザーで角膜実質層を照射します。
2種類のレーザーを使うレーシックに対し、リレックススマイルではフェムトセカンドレーザーVisuMAXのみの使用です。
手術時間の短縮にもつながり、患者の負担が軽減されます。
外部と接する切開層が小さいので、術後の感染や炎症が起きにくいです。
近視への戻りが小さい
海外の長期成績からみてレーシックと比較した場合、角膜の剛性を損なわないので近視の戻りが小さいといわれています。
リレックススマイルのデメリット
手術実績が少ない
比較的新しい術式なので、技術的な懸念や将来的な危険性にまだ不安があります。
レーシックに比べると術後の視力の安定と、クリアな視界や見え方の満足度は若干低いようです。
非トラッキング機能
最新のレーシック技術は、エキシマレーザーにアイトラッキング機能(眼球が動いても追尾する)が備えられているのに対し、フェムトセカンドレーザーにはそれがありません。
矯正精度の誤差はエキシマレーザーが最大2マイクロメートルであるのに対し、フェムトセカンドレーザーは最大で20マイクロメートルと差が10倍です。
照射が瞳孔の中心から反れた場合に偏心照射となり、不正乱視や偏頭痛といった後遺症が生じる可能性があります。
同じ方法での再手術は不可能
リレックススマイルは再手術ができません。
術後に視力低下が起きた場合は、別の術式(レーシックかPRK)を検討する必要があります。
ただし、リレックスでレンチクルを取り出した部分は角膜実質層に隙間ができています。
その付近にフラップを作成すると、フラップの損傷やシワなどの原因になりリスクが高いです。
リレックスをした眼に追加矯正をするのは、効果が低いともいわれています。
サクションロス
リレックスのフェムトセカンドレーザーは目に接触する部分の吸引固定が弱いため、固定が外れてレーザーがストップすることがあります。
術後の視力障害や視力不良が発生する可能性があります。
緊張せずに目標のランプを見ることでほとんど起きませんが、術式が中盤まで終わっていれば再度レーザーを照射することにより続行可能です。
中盤以前で起こった場合は、2~3ケ月待ってから再手術となります。
眼内コンタクトレンズ(ICL)
ICL(Implantable Contact Lens)は、眼球の表面を切って、その隙間にソフトコンタクトレンズのような薄いレンズを移植する術式です。
3ミリほど角膜の縁を切開し、その小さな切開箇所から丸めたレンズを移植します。
レンズは柔らかく丈夫な素材で、眼内でゆっくり広がります。
痛そうで、眼内でレンズが広がるとかちょっと意味がわかりませんけど、痛みはほとんど無いそうです。
日本では2010年に厚生労働省が認可した、比較的新しい近視・乱視矯正法になります。
海外では1997年にヨーロッパで薬事承認されており、韓国や米国でも普及している治療法です。
従来の眼内レンズは眼圧が高まったり、白内障になりやすかったりと問題点がありました。
レーシックでは視力回復が見込めない強度の近視・乱視を中心にICLが行われてきたが、2014年4月に、問題点を克服した「ホールICL」と呼ばれる新レンズが認可。
ホールICLはその名の通り穴の開いたレンズで、眼内の水(房水)が穴を通り眼圧が上がりにくくなり虹彩切開術が不要になりました。
ICLのメリット
レンズを取り出せる、入れ替えられる
ICLのメリットは、眼内レンズを取り出して元の状態に戻せること。
レンズの度数やサイズが合わなかった時も、入れ替え手術が可能です。
レーシックやリレックススマイルはレーザーで削ったり切開するので、元に戻りません。
レーシックと比較し近視戻りが少なく、長期間安定した視力が維持できます。
また、白内障などの目の病気になってもレンズを取り出してから治療できるので、治療の選択肢が狭まりません。
患者の負担が小さい
リレックススマイルもですが、レーシックと比べてICLも角膜を切る量が少ないです。
レーシックは約30mm切りますが、ICLはわずか3mmしか切りません。
術後の違和感や、ドライアイを感じることは減りました。
ICLのデメリット
手術費用が高い
自由診療のため、手術費用は全額自己負担です。
レーシックやリレックスは3、40万かかります。
ICLは50万円以上かかるそうです。
私からいわせれば、全部高いです(笑)
手術をするまでに時間がかかる場合がある
ICLは検査結果に基づいて、1人ひとりにオーダーレンズが用意されます。
国内にレンズの在庫がない場合は、1~3カ月待つこともあるそうです。
ICLを検討する人は、早めに適応検査を受けるといいでしょう。
ハロー・グレアや、感染症リスクもある
角膜を切る量は少ないとはいえ、切るからには感染症のリスクはゼロではないです。
どの術式もそうですが、光の見え方に違和感のあるハロー(夜間、光の周辺に傘がかかったようにぼやける現象)やグレア(光が強く滲みのようなものがでて見にくくなる現象)の発生リスクもあります。
オルソケラトロジー
これまでの手術の必要な視力矯正とは違い、「オルソケラトロジー」とは手術のいらない視力矯正治療法です。
日本国内では、2009年4月に厚生労働省の認可を受け、徐々に広まってきました。
2017年12月には、「20歳未満は慎重処方とする」と適応対象年齢が改訂になり、保護者の監督のもと、オルソケラトロジーレンズを子供にも処方できるようになりました。
オルソケラトロジーとは、「オルソケラトロジーレンズ」と呼ばれる特殊形状の高酸素透過性ハードコンタクトレンズを夜間睡眠中につけて、角膜の前面を平坦化して視力を矯正する方法になります。
従来のコンタクトレンズとは逆の使い方で、寝るときにつけて、日中はレンズを外すわけです。
朝起きてレンズを外した後も一定時間角膜の形が保持され、裸眼で生活することが可能になります。
オルソケラトロジーのメリット
手術の必要がない
手術の必要がないというだけで、心理的負担が少なく始めることができます。
日中の裸眼生活が可能
メガネや一般のコンタクトレンズと違い、破損や紛失の心配をする必要がないです。
格闘技などの接触競技や、野球・サッカーを中心とした野外環境下競技など、スポーツも不安なくできます。
角膜の柔らかい子供には効果が期待できる
子供がオルソケラトロジーを利用することによって、近視抑制効果があることも論文で報告されており、年齢が若ければ若いほど視力回復効果は高いというデータもあります。
実際の利用者は未成年が多いとされ、2017年のガイドライン改正に繋がっています。
レンズの装用をやめるだけで角膜の状態を元に戻せる
万が一、眼に異常を感じた場合は、装用をやめるだけで角膜を元の状態に戻すことができます。
また、コンタクトレンズ注文前に装用テストを受けることができます。
その際に、つけたときに違和感はないか、洗浄のやり方、効果が表れているかなど確認することができます。問題があった場合は医師へ相談しましょう。
オルソケラトロジーのデメリット
角膜の形状によっては向き不向きがあり、眼に疾患のある人には不適応
強度の近視・乱視には向いておらず、遠視の矯正も出来ません。
角膜の異常(円錐角膜、角膜上皮びらんなど)・重度のドライアイ・アレルギー症状などある人は利用することができない場合があります。
装用初期は視力が安定しない
装用初期は、視力が安定しないことも多く、効果がキチンと出るまで時間がかかる場合があります。
また、夜など暗い場所でハロー(夜間、光の周辺に傘がかかったようにぼやける現象)やグレア(光が強く滲みのようなものがでて見にくくなる現象)の症状が出ることも。
一般のコンタクトレンズと同様の手間がかかる
コンタクトレンズの洗浄や交換を適宜行わなかった場合、角膜炎などの感染症になる場合があります。
寝ている間に目をこすったりすると不正乱視になる可能性もありますが、強く目をこすらなければ可能性は低くなります。
子供だけではコンタクトレンズを適切に扱えない可能性があるため、保護者のしっかりとしたサポートが必要です。
保険適用外のため、費用がかかる
初期費用は、装用テスト代とレンズ代で約20万円前後。
定期健診費用がかかるところもあります。
また、レンズには耐用年数があり、1年もしくは2年ごとにレンズを交換しなければなりません。
レーシックやICLと比べれば近視治療の中では安価な部類ですけど、費用はそれなりにかかります。
まとめ
近視治療ではポピュラーな術式になったレーシック。
しかし、強度の近視・乱視には使えなかったり、レーシック適応外の人もいます。
レーシックは術後のトラブルも少なくはなく、レーシックに代わる新技術として「リレックス」や「ICL」が注目を集めています。
2つとも比較的新しい術式で、症例も少ないからこその懸念や不安はあるでしょう。
技術的に進歩する余地があり、安全性と術後のリスクがはっきりとすれば、レーシックより需要が高まると思います。
しかし、どの術式も結局は角膜切りますからね、感染症や事故はゼロではないので怖いです。
視力矯正手術を検討される方は、眼科専門医による検査をしっかり受けてください。
手術の必要がない、オルソケラトロジーは不安が少なく、良さそうに見えます。20年くらい前にあってほしかったかな。
今は視力0.1無いので効果が期待できないし、今更コンタクトレンズはもう面倒くさいです。
高い安全性と費用がもっと安くならない限りは、手が出せないですね。
裸眼は憧れますが、やっぱりメガネが楽。
では、また次回。