「涼しい顔をする」の本来の意味は”関係があるのに知らんぷりをする”とのことで、私も”大変な状況でも平気そうにする”意味だと思って誤用していた1人。
おそらく字面でこんな感じの意味だろうと思い込みやすいのかもしれません。激辛料理を食べても涼しげとか、暑い→涼しいみたいな連想から”大変な状況でも平気そうにする”という意味に結び付きやすいのだと思います。
「忸怩(じくじ)たる思い」も、濁音のせいなのか”残念で、もどかしい思い”みたいなネガティブな印象はあるけど、”恥じ入るような思い”とまでは思い至らなそう。
私みたいな中途半端に本を読む人がちょっと難しい言葉を使ってみようとして誤用したパターンが多そう。ザブングル加藤の「悔しいです!」が濁音が混ざり気味で、忸怩と似ているし誤用の一端なんじゃとこじつけてみたり。
「忸」「怩」を知らないとわかりません。両方とも恥ずかしさを表す漢字で、合わせることで強調され”すごく恥ずかしい”という意味になるわけで、ちゃんと調べないと「忸怩たる思い」の本来の意味を知ることはないのでは。
慣用読みのように、慣用的表現も誤用が広まり過ぎれば有りな表現として辞書に意味が追加される場合もあるので、「涼しい顔」警察だ!と指摘できなくなる日は近そう。
「忸怩たる思い」は言葉自体を知らない人がまだまだいるでしょうし、その使い方間違えてるよと指摘できそう。マウントを取る感じだとうざがられるので心の中で思うだけですが。(こうして誤用のまま広まるのかとも思った)
言葉の話は、気づきになって勉強になるし面白い。
慣用読みや、誤用だったものが本来の意味とプラスして加えられたり、「引く」「推し」「盛る」など新しい表現が増えたり、言葉は生き物なんだと改めて思います。
では、また次回。