運転中に橋を渡っていると、母が河原を見ながら黄色い花を指し、何やら長い名前を呟きました。
花の名前にそれほど興味が無いので、「セイタカアワダチソウ」と言われても、せーたか?泡立ち?なんて?と、その長い名前に全く理解が及びませんでした。
セイタカアワダチソウは、北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と競合する。11月頃まで開花している。河原や空き地などに群生し、高さは1 – 2.5m、良く肥えた土地では3.5 – 4.5m程度にもなる。茎は、下の方ではほとんど枝分かれがなく、先の方で花を付ける枝を多数出す。花期は秋で、濃黄色の小さな花を多く付ける。種子だけでなく地下茎でも増える。アレロパシーを有する。
セイタカアワダチソウは繁殖力が高く、種子と地下茎の両方で増殖することができるうえ、アレロパシーという根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出すそうです。
このアレロパシー効果で、ススキなど日本固有の在来植物が抑制、駆逐するおそれがあり、環境省の要注意外来生物リストに掲載されています。
秋の花粉症の原因となるブタクサに似ていることもあって、アレルギーやぜんそくを引き起こすと誤解されていました。セイタカアワダチソウは風媒花ではないので、花粉は少ない上に比較的重く、風で飛ぶのには不適であるため、無関係だと今は考えられています。
ハチなどの虫によって受粉する虫媒花なので、冬前に大量の蜜と花粉を集められる最後の機会を与えてくれる花のようです。
セイタカアワダチソウは薬効があり、花はハーブとして利用できるそうです。また花が咲く前のつぼみの状態のものを集め、1日干して乾燥させたあとに布袋にいれ湯船に浮かべれば入浴剤になるとか。
効能や利用法が広まると、草刈りと称して持っていく人が増えるかもしれません。
たしかに横目で河原を見てみると、ススキと二分して生えているように見える。
一見、ススキだけの景色より色味がでて良さそうに見えますが、共存ではなくせめぎ合いをしているようです。
在来植物には迷惑な相手ですが、虫たちにとっては花から蜜が取れるし、薬効があるようだし、外来種とはいえ全くの厄介者ではないのが複雑な感じ。
こういう長い名前の生き物の話を聞くと、「スベスベマンジュウガニ」がいつも頭に浮かびます。
コイツは食べられない危ないヤツ。
では、また次回。